咳と漢方

ここ数年、「咳が止まらない!」というご相談が増えています。

また、カゼで「咳症状」を伴う患者様も増えています。


ありとあらゆる咳の治療薬を病院で処方され、使用しているが「全くよくならない」という患者様も意外と多いです。

気管支拡張剤やステロイドの吸入などよく効く薬を使用してもそれが効かない!

そんなひどい咳症状はどうしたらいいのでしょう?

それはその人の『体質』はなにか?が分かれば、治療法や対処法がみつかります。


咳の体質いろいろ

咳は、風邪や肺炎などの急性のものとアレルギーや喘息などの慢性のものとありますが、漢方(新臨床中医学)の考え方では急性・慢性はあまり重要ではありません。

『咳が出る原因は何か?』

が大事であり、その原因となる「体質」を見極めることが大事なのです。


このことは、耐性菌で従来の抗生剤が効かないような重度の肺炎や気管支炎などの咳でも同じことが言えます。

「咳が止まらない」「息苦しい」ときほど体質を見極めなければなりません。


咳が出る体質はいろいろあります。


【熱体質】

温まると咳が出る。涼しい場所にいる方が楽。横になる(特に仰向け)と咳が出る。

どちらかというと息を吸うと咳が出る。顔を上げると咳が出る。

という傾向にあります。


【冷え体質】

冷えると咳が出る。冷たい空気を吸うと咳が出る。暖かい所だと咳は少ない。

顔を下に向けると咳が出る。

という人が多いです。


【痰湿(たんしつ)体質】

たくさん食べると咳が出る。甘いものや脂こいものを食べると咳が出る。

横になる(特に仰向け)と咳が出る。どちらかというと息を吸うと咳が出る。顔を上げると咳が出る。

一部『熱体質』と似た傾向にあります。


【流れ体質】

ジッとしていると咳が出る。緊張すると咳が出る。ストレスがかかると咳が出る。動いていると咳が軽くなる。横向きに寝ると咳が出る。朝方や寝入りばなが咳が出る。

アレルギー性の咳の方にも多くみられます。


【虚(きょ)体質】

疲れると咳が出る。話をすればするほど咳が出る。休む(寝る)と咳は楽になりやすい。どちらかというと息を吐く方が咳が出る。


ざっくり上記のような体質分けができます。

熱や冷え体質はご説明しなくてもなんとなくお分かりかと思います。その他は

『痰湿体質』体内にいらないものが溜まっている体質

『流れ体質』脳が過度に緊張状態にあり、気や血の流れが滞る体質

『虚体質』体内の必要なエネルギーや栄養が不足している体質

というイメージです。


実際にはさらに問診、舌診(ぜっしん)、脈診、関節負荷テスト、夢(情志)診断学などを用いて体質を見極めていきます。


咳の治療

新臨床中医学(漢方)では、これらの体質に合わせた治療を行います。

熱体質【熱】を取り除く。

痰湿体質【痰湿】を排出させる。

虚体質【不足しているもの】を補う。

などです。


但し臨床では、原因はひとつだけではなく複合していることが多いです。

ですので体質が複合しているものにはそれに合わせた治療が必要になります。

新臨床中医学は『咳を治す』というよりも

咳が出ている『原因(体質)を治す』

という考え方です。


この考え方で治療を行えば

咳がひどくてほとんど眠れない日が続き、息もしづらく苦しい

というような咳でも改善できます。

こういう咳は、「あらゆる咳止めが効かない!」という場合も多いですが、そんな場合でも体質(原因)を改善すると咳が止まり、息が楽になっていきます。


咳が止まらず苦しんでいらっしゃる方はご参考になさってください。

あてはまるものがあれば、改善できる可能性がありますのであきらめずにご相談くださいね。いつも全力投球でご相談いたしております。


池田東洋堂薬局

TEL:093-561-3562

福岡県北九州市小倉北区木町3丁目13-1

池田東洋堂薬局(漢方)

病気の原因が分からず、「治療がうまくいかない」「治療薬自体無い」というご相談をよく受けます。そんな時に『新臨床中医学』の視点で考えると改善方法がみつかることは稀ではありません。少しでも多くの方のからだの悩みや苦しみが、少しでも軽くできたらと思いホームページを開設しました。