令和8年7月10日(金)
医療関係者向けの漢方Web勉強会(小太郎漢方製薬主催)
今回のテーマは
止まらない咳
今回の講義をするにあたり多かった意見は
「咳の治療は難しい」
でした。
治療が難しいと思われている原因は、咳に対する弁証論治(体質を見極めて体質にあわせた漢方薬を決定するという意味)の具体的で臨床に添った方法を教わっていないためよることが大きいと考えられます。
例に漏れず、私も若い頃は「空咳」といえば「麦門冬湯」だと疑わず、
”肺が乾いているから空咳が出る”
”麦門冬湯は、乾いた肺を潤すから空咳が治る”
と勘違いをしていました。
空咳の原因は
「陰(津液)虚」だけでなく「熱」や「冷え」、「気滞」、「瘀血」など様々であるはずなのにです。
「空咳」だから「麦門冬湯」ではなく、空咳の原因が何かを導き出さなくてはなりません。
空咳に限らず、咳が出る原因を導き出す方法はあまり知られていませんので
今回の講義では咳が出る原因を導き出す方法を具体的に分かりやすく解説いたしました。
ここ数年、長引く咳やひどい咳で多いのが
「痰がからんだ咳」
この治らない咳の原因と深く関係するのが
「食生活」
普段よく食べたり飲んだりしているものや食事の摂り方が原因で咳が治らなくなっていることはとても多いです。
健康のために摂取しているものが自分に合っていなかったり、過剰に摂取していたりする場合も少なくありません。
新・臨床中医学では食生活も考慮し、それに合わせても漢方薬を選定します。
実際に私が「その〇〇(特定の食べ物や飲み物)の摂取は中止してください」と患者様にお伝えして、〇〇の摂取を中止しただけで咳や息苦しさが軽くなったというケースは多いです。
〇漢方薬を考える
日本では、「症状(例えば空咳)」で漢方薬を決める傾向にあります。
また一つ一つの生薬より漢方薬名で治療を考える傾向にあります。
このことは間違いではありませんが、治療でうまくいかなかった場合、その後どうしたらよいのか分からなくなります。
「症状」ではなく「原因(証)」
「漢方薬名」ではなく「生薬」
を意識して治療にあたると、今までより治療効果が上がるだけでなく、うまくいかなかったその後もどうしたらよいのかが分かるようになります。
咳症状の原因(証)と原因(証)を改善するための生薬
どうしても生薬ではなく漢方薬名で考えてしまう先生が多いようですが、最近は生薬で考える先生が増えてきているようで嬉しいです。
※ちなみに麦門冬湯は生薬で考えると「気陰両虚痰湿証」に使用するとよいことが理解できます。
講義が少しでも先生方のご参考になっていただけたら幸いです。
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