令和7年10月8日(水) 医療関係者向けの漢方Web勉強会(小太郎漢方製薬主催)。
今回のテーマは
①ホットフラッシュ
②円形脱毛症
③長い夏の動悸、出血
の3本立て。
タイトルの「中医学のその先へ」ってなに?と思われた方も多いと思いますので先にそのお話を。
最近は四季がはっきりしなくなりましたよね。
中医学では、「春」「夏」「秋」「冬」の季節を考える学問があります。
ただ、この中医学は約70年前に体系化されたものです。
70年前は、エアコンや冷蔵庫、電子レンジ、ネットなどがなかった時代です。電灯も今みたいに一日中昼間のような明るさでもなく、車や飛行機で簡単に移動でき、メールや電話、テレビ通話など一瞬で情報が得られ、衣食住などあらゆるものが現在と異なります。
中医学は素晴らしい学問ですが、その学問を現代に合わせ進化させることが必要な時代になってきました。(現代の漢方の先生方ご自身の手で中医学を昇華させる時代の到来です)
例えば、
”中医学で「秋」は乾燥の季節なので、体を潤す食材を摂るとよいです。”
というような考え方があります。
SNSでもそういった話が多く見受けられます。
ここが注目ポイント!
それでは今年の「秋」はどう?乾燥してる?
そうなんです。
今年の「秋」は湿度が高く、乾燥していません。
むしろジトジトじめじめしています。
湿度が高いのに体を潤す食材を多く摂ると「湿」が体に溜まりやすくなります。
そして10月なのに半袖で一日中すごせるほど暑い「秋」です。
今の秋は「暑さ」と「湿」(気温差や気圧の変化など)の注意喚起をすることが中医学的には大切になります。
昔ながらの「秋」ではないからこそ、今の「秋」に合った学問にアップデートしなければなりません。
エアコンなどの普及により
夏なのに寒い
冬なのに暑い
という70年前では考えられなかったことが起こるようにもなりました。
〇長い夏の動悸、出血
今年の夏は6月から始まり9月中旬まで真夏日が続く長ーーーい夏で、平年より2.36℃も高い暑すぎる夏でした。(※湿度は5月から10月の今でも高いままです。これも問題ですが他のお話)
持続する暑さは「熱」が生じやすくなり熱体質になりやすいです。
また、長く続く暑さにより汗がずっと出続けます。
汗は、漢方的に体の栄養から作られ、体のエネルギーによって体外へ排出されると考えられます。
長い期間たくさんの汗を出し続けると漢方的な栄養不足とエネルギー不足になるのです。
以上から熱体質や不足体質になり、動悸や出血しやすくなります。
今年の夏は例年より、動悸や出血を訴える患者様が多かったです。
気候から色々なことが読み取れますね。
長くなりましたので、②に続きます。
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