今月19日、医療関係者向けWeb漢方勉強会(小太郎漢方製薬主催)にて講演いたしました。
今回も数多くの先生方のご聴講には励みとなります。感謝申し上げます。
今回のテーマは
「学校に行けないを考える」
2022年度小中学生の不登校の人数が、過去最多の29万9048人という発表がありました。
それだけ多くの人が苦しんでいるということ。
だから今回はこんなテーマにしたのですが、1つだけ伝えたいことがあります。
「学校へ行かなければならない」ということはありません。
「学校へ行かない」という選択肢もあってよいことは、本人だけでなく保護者のみなさまにも知っていてほしいです。なにが良いとか悪いとかではなく、本人がどうしたいか、どうなりたいかが大事です。
まだどうしたいかなどもよくわからない場合は、とにかく頭と体が楽になることを心掛けるようにするとよいでしょう。
そして今回の講義では「学校に行きたい気持ちはあるけど行けない」という患者様に焦点を絞り、どうしたら学校へ行けるようになるのかを新・臨床中医学(漢方)の視点で講義いたしました。
起立性調節障害や頭痛、倦怠感、朝起きることができない、腹痛、精神不安定、睡眠障害など様々な症状で学校に行けなくなっている人もとても多いです。
なぜこんな症状が出ているのかを新・臨床中医学(漢方)を用いて原因を見極めていきます。
原因を見極めることで「冷え体質」や「熱体質」「停滞体質」「詰まり体質」「不足体質」など様々な体質が関係して、学校に行けなくなっていることが分かります。
体質が解析できたら、次に体質に合わせた漢方薬を選定します。
そして自分に合った漢方薬を服用し、漢方的に食事や生活習慣も見定めながら漢方療法をおこなっていきます。
そうすることで頭の疲れや体の不調がよくなっていき、次第に学校に行ける状態になっていきます。
でもここでも大事なことは、学校に行く以外の選択肢をとってもよいということ。漢方療法で心身の調子が良くなっていくと頭の疲労や緊張がとれるので、以前より自分でどうしたいかが見えてきたりします。そこで再度学校に行きたいかを考えてみてもよいのではと思います。
少しずつ、自分のペースで。
今回は症例から実際の処方内容やその説明、そして経過の流れを講演させていただきました。いつもよりたくさんの質問に先生方の関心の高さをうかがうことができ、胸が熱くなりました。
有限会社池田東洋堂薬局
福岡県北九州市小倉北区木町3丁目13-1
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