漢方からみるコロナワクチン副反応の共通点

先日私も3回目の新型コロナワクチンを接種してきました。

1回目の新型コロナワクチン接種から現在進行中の3回目接種を合わせ、自身だけでなく家族やたくさんの漢方相談のお客様から情報を集め分析していきますと、1つの共通点があることが分かりました。


とその前に


ネットで「新型コロナワクチン接種による副反応」「漢方」のワードで検索をしてみますと、「あの漢方薬が良い」「〇〇湯が効く」といったブログや記事が多くありましたが、その「〇〇湯」が必ずしもみなさまに効くとはかぎりませんのでご注意ください。

かえって副反応を増幅させてしまう場合もあります。


副反応に限らずですが、同じ病気や症状であっても同じ漢方薬を飲んで効く人・効かない人・悪化する人がいます。ですので私は「〇〇湯」が効くといったようなことは基本的に書きません。

漢方薬名を書かない理由は、そういったことがあるからです。


そして頭痛や倦怠感、発熱、下痢などといった「症状」から漢方薬を選別している記事もありますが、「症状」で漢方薬を選別すると適切でない場合が多々あります。

漢方薬は「症状」ではなく「体質」で選別することが基本ですので注意が必要です。

ネットや雑誌で書いてあったからと自己判断で「〇〇湯」を服用せずに専門家にご相談するようにしてください。


共通点に話を戻します。

新型コロナワクチン接種の副反応からみられる共通点

それは


瘀血(おけつ)


です。

【瘀血】とは血がスムーズに流れず滞った状態をいいます。


新型コロナワクチン接種をすることで、体に【瘀血】が生じやすくなったり助長されたりする傾向にある人が非常に多いです。副反応から導き出される漢方的な体質で共通したのは【瘀血】でした。【瘀血】が出現する度合いは大なり小なり個人差はあるものの、季節や環境を問わず【瘀血】だけが大半に共通してみられる傾向にありました。


ですので新型コロナワクチン接種をする前や接種後から【瘀血】を改善する漢方薬を加えたり増量したりするだけでも副反応が軽減されるケースは多いです。


ただし、体質は人それぞれ千差万別ですので【瘀血】が共通して現れるほかにも、人によっては【冷え】が生じたり、反対に【熱】が生じたり、はたまた【痰湿】【虚(きょ)】が現れたりする場合もあります。複合するケースも多いです。本当にその人その人によって現れ方が違います。


また季節によっても違いが出ているようです。

昨年の夏頃に接種された人は【熱】タイプの現れ方をしたケースが多かったのに対し、今年3月の寒い時期に接種された人は【冷え】タイプの現れ方をするケースが多くみられます。

昨年8月は長期の長雨で通常よりもさらに湿度が高かったためか【痰湿】タイプの現れ方をするケースが多かったです。


〇瘀血タイプの注意点

私も【瘀血】タイプですので、3回目は瘀血を改善する生薬を多めにして他の漢方薬と一緒に服用しました。

結果、腕の痛みは2回目より軽く、全3回通して発熱もありませんでした。


【瘀血】タイプでは以下のような場合に【瘀血】が助長されることがあります。

・目を酷使する(長時間のスマホやパソコン、細かい手作業、テレビなど)

・脳の過度な緊張(ストレス、イライラ、考え事が多い、集中する、我慢する)

・月経期

・飲酒(飲み過ぎると悪化しやすい)

・曇りや雨が降る前


などです。天気はどうしようもありませんが、ワクチン接種を予定されているようでしたら月経と重なる日を避けたり、飲酒を控えたりといった具合に注意してみると少しはよいかもしれません。


残念ながら副反応で体調が崩れ、不調が続くようであれば漢方療法がオススメですので信頼できる漢方の先生にご相談ください。


みなさまのご健康を祈念いたしますとともに漢方の発展によってより多くのみなさまが元気で笑顔になっていただけることを願っております。


池田東洋堂薬局

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池田東洋堂薬局(漢方)

病気の原因が分からず、「治療がうまくいかない」「治療薬自体無い」というご相談をよく受けます。そんな時に『新臨床中医学』の視点で考えると改善方法がみつかることは稀ではありません。少しでも多くの方のからだの悩みや苦しみが、少しでも軽くできたらと思いホームページを開設しました。