抜け毛と漢方

お風呂の排水溝に自分の髪の毛がいっぱい溜まる。
朝起きたら枕にいっぱい髪の毛が付いている。
ドライヤーのあとの抜け毛が洗面台に散乱している。


こういったお悩みのご相談は多くあります。


抜け毛が気になっている方の多くがすでにネットで調べ尽くしていらっしゃることと存じます。

抜け毛の原因は「ストレス」「食生活の乱れ」「生活習慣の乱れ」「睡眠不足」「シャンプー」「ホルモン」「ダイエット」などといわれていることが多いようです。

確かにこういった原因があることは事実ですが、

新臨床中医学(漢方)の視点を加えますとより原因が具体的になり

どうすれば良いかがみえてきます。


髪の栄養は【血(けつ)】

漢方では髪の毛の栄養は【血】といわれ、この血不足(=血虚)が原因で、脱毛したり髪の艶がなくなったりすると考えられています。

ですので、この場合は補血(血を補うこと)すればよいというわけです。


漢方の考え方をさらに発展させた新臨床中医学では、

血虚だけでなく気虚(=気の不足)陽気虚(=陽気の不足)でも脱毛したり、毛が細くなったり、艶が無くなったりするとも考えます。


気や陽気は髪を成長させるエネルギーであったり、血を作り出すエネルギーであったり、血を髪まで送り届けるエネルギーであったりしますので、気や陽気が不足しても髪に影響しやすくなります。


血・気・陽気が不足する原因としては

無理なダイエットや食の偏り、睡眠不足、頭や身体の使い過ぎ、月経過多、加齢、汗の出しすぎ(長風呂やサウナ、岩盤浴など)を繰り返す

などが挙げられます。

軽い不足の人なら栄養バランスのとれた食事を心がけ、睡眠を十分にとり、頭や身体を休めてあげるだけでも抜け毛が減り、髪に艶が戻ってくることはあります。


「でも頭や身体は仕事上使い過ぎないようにするのは無理!」
「加齢はどうしようもならない!」
「月経過多はどうしようもない!」

というお声もあるかと思いますが大丈夫です。


そんなときこそ漢方療法です。

仕事で気力体力を消費した時、加齢にともない人よりも不足が進んでしまった時、月経過多で出血量が多くなってしまっている時は、血や気・陽気を漢方で補ってあげることが出来ます。

また、漢方療法では月経過多の体質改善により出血量を正常に戻すこともできます。


抜け毛の原因は他にもある

他に抜け毛や艶がなくなる原因のひとつが

気や血の流れの滞り

です。

ストレス、神経を遣う、考え事、悩む、目を酷使する、集中しすぎる・・・といった脳が過度に緊張する状態になると気や血の流れが滞ってしまいます。

気の滞りを【気滞(きたい)】

血の滞りを【血瘀(けつお)】

と言います。


気滞や血瘀の状態になりますと、髪に栄養が届かなくなり毛が抜けやすくなったり、髪に潤いがなくなりパサパサになったりします。

特に【血瘀】の状態が強いと太い髪の毛が根元からプツンと切れたように抜け落ちることもあります。

仕事が忙しかったりストレスが溜まったりしているときに太い抜け毛が多い場合は【血瘀】を疑ってもいいかもしれません。

ちなみにアルコール摂取が多くても【血瘀】は生じやすいので注意が必要です。

他にも

食事の偏りで多い【痰湿(たんしつ)】体質

冷飲食や寒い環境などによる【冷え】体質

香辛料の摂りすぎやイライラなどによる【熱】体質

など抜け毛の原因は様々です。


新臨床中医学ではこういった様々な体質を見極め(これが一番技術を要します)、体質に合わせて漢方療法を行うと抜け毛がずいぶんと減ります。

「髪の毛に艶が出てきた」

とか

「細かった髪の毛が太くなってきた」

という人は多いです。


なかには抜け毛が減るだけでなく、髪にボリュームが出てくる人もいます。


「自分の抜け毛の原因はなにか?」

それを新臨床中医学(漢方)で考えると自身に合った改善方法が分かってきます。


漢方療法+自分にあった養生法(食事や生活習慣、環境、行動などの見直し)


こういったアプローチ方法もあることを知っていただけたらと思います。

池田東洋堂薬局は、みなさまのお悩みを少しでも改善できればと願っております。

お気軽にご相談くださいね。

池田東洋堂薬局(漢方)

病気の原因が分からず、「治療がうまくいかない」「治療薬自体無い」というご相談をよく受けます。そんな時に『新臨床中医学』の視点で考えると改善方法がみつかることは稀ではありません。少しでも多くの方のからだの悩みや苦しみが、少しでも軽くできたらと思いホームページを開設しました。