「漢方薬が私には合っているみたい」
「漢方薬は私には合わなかったみたい」
こういう話を聞くことがあります。
漢方薬が合う人と合わない人がいるのでしょうか?
答えは「NO」です。
そもそも合うとか合わないとかというのは正しくないです。
なぜなら漢方は合わせるものだからです。
漢方薬は、その人の体質に合わせて選びます。
例えば、AさんとBさんが同じ病名であったとしても、AさんとBさんとでは服用する漢方薬が違うということです。
同じ病名でもAさんに効く漢方薬とBさんに効く漢方薬は違います。
Aさんの体質に合った漢方薬、Bさんの体質に合った漢方薬を正しく選ぶことで病気は改善します。
体質に合わない漢方薬を選んでしまうと効果がありません。
逆に病気が悪化することもあります。
「私は漢方薬が合わない」のではなく「私に合った漢方薬を飲んでいない」ために病気が改善されなかったと言えます。
漢方は『診断力』が必要
漢方薬は、「その人がどんな体質か」を見極めることが最も重要です。
漢方的な診断をして体質を導き出す技術(=診断力)が低いと体質を見誤り、間違った漢方薬を選んでしまうからです。
診断力はとても重要なので、漢方の専門家は診断力の向上に日々努めています。
診断力が高い専門家の共通点
①たくさん聞く
体質を見極めるには体の情報が多い方がよいので、他に症状はないか、睡眠や生活習慣がどうなっているか、時間帯(季節や天気など)で症状の変化がないかなどその他にもたくさんのことを聞いていきます。
逆に2~3質問しただけで漢方薬を決めることはまずありません。診断力が高い専門家ほどたくさん聞くのです。
②舌診(ぜっしん)をする(その他の診断方法をする)
舌診は舌を見て体質を見極める方法です。舌を見るのと見ないとでは得られる体の情報量が極端に違うので、初回は必ず見るのが基本です。相談2回目以降もほぼ毎回確認します。
また問診と舌診以外の漢方的な診断方法があります。脈診や動き負荷法、夢診断法などがありそれらを組み合わせると、より正確な体質の見極めがおこなえるので、診断力が高い漢方の専門家は複数の方法を用います。
③漢方薬が変わる
漢方薬を飲むと体質が変化していきます。その変化に合わせて漢方薬も変えていくのが基本です。何か月も漢方薬が同じ内容ということはまずありません。その都度、体質を確認しながら漢方薬を選定する専門家がおすすめです。
④生活・食事指導をする
診断力が高いとその人その人の体質が細かく分かります。その人に合った食材や合わない食材が分かりますし、どんな行動を心掛けたらよいのかも分かるので体質に合った生活指導や食事指導がおこなえます。
本当に診断力が高い専門家ほど生活指導や食事指導に力を入れています。
こういったことを基準にして漢方専門の医療機関を探してみてもいいかもしれません。
餅は餅屋
漢方薬が合う合わないではありません。自分の体質に合った漢方薬を選でいるかどうかです。自分の体質に合った漢方薬であれば、どれでも効果はみられるはずです。
自分の体質に合った漢方薬を見極めることが大切ですので、診断力の高い漢方の専門家への相談をおすすめします。やっぱり餅は餅屋です。
池田東洋堂薬局
福岡県北九州市小倉北区木町3丁目13-1
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